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執筆者の写真writer sannou.kaori

新鮮な驚きと感動!「Kyo gastronomy KOZO」でランチ

更新日:2020年9月14日

以前からチェックしていた京都・丸太町にある「Kyo gastronomy KOZO (キョウ ガストロノミー コウゾウ)」さんへようやく行くことができた。


12時に到着。

ドアを開けるとカウンターとテーブル席が3つ。

コロナ対策なのだろう、カウンターは使用せず、ランチは3テーブルで12時からの1回転のみ。自分の連れとしか向き合わないし、もちろん入口でのアルコール消毒は必須で、シェフはマスク姿だ。

コロナ前やディナーの時はどうなのかわからないが、ランチのスタッフはKOZOシェフのみ。コースで同時提供とはいえ、一人で滞りなくまわすには3テーブルが限界だと思われる。

美しくセッティングされたテーブルを見て、期待がどんどん高まった。


この店に来たかった理由は2つ。

まず、シェフの独創的でアーティスティックな料理に興味があったこと。私の感度の良い「おいしいものアンテナ」も激しく反応していた。見かけ倒しではあるまい。


もう1つは、日本酒のペアリングコースがあること。料理に合わせてシェフが選んだ日本酒が提供されるのだが、S、M、Lのサイズ違いを選べる。

自分で好きな酒を選ぶのも楽しいが、プロのペアリングは勉強になるので好きなのだ。


1品目、KOZOシェフの代名詞ともいえる「スペシャリテ 苔テラリウム」。



これを実際に見たかったし、食べてみたかった!

金魚でも飼えそうな大きめのガラスボウルに美しい苔。

・・・と思いきや、すべてが食べられるのだ。

食べるのがもったいないね~と言いながら“苔”にスプーンを入れ、口に運ぶと、これがまたうまい。


アップにしても、本物の苔にしか見えないのがすごい。



白味噌のマッシュポテト、フォアグラのクリームがベース。パンを乾燥させたものを岩に見立てたり、コーンスターチを固めたようなものを砂利に見立てたり・・・。


こちらのペアリングは京都の松本酒造の「澤屋まつもと」

しっかりとした米の旨味があるが、重たくはない。苔テラリウムによく合った。




2品目は「鶏と冬瓜の冷製スープ」

具だくさんで食べ応えのあるスープだ。冬瓜に出汁がよくしみておいしい。




3品目が圧巻の旨さ!「鮎のコンフィ」



ズッキーニの上に低温調理されて骨も頭もすべて柔らかくなった鮎が美しく盛り付けられていた。

器もきれいだし、ソースやあしらいも含めて、もうこれ自体がアート!

鮎がほろほろと口の中で崩れ、鮎本来の旨さを感じさせながらも、ソースで味わいが何重にも複雑に広がる。

いろんな味がするのだが、どの部分をとってもうまい。

(食べ終わって、「もう1匹食べたい!」と私は言った)


合わせるのは、奈良の今西酒造さんの「みむろ杉 純米吟醸」

「みむろ杉」は家で年間何本も消費する大好きな酒の1つだ。

これは「渡船」という酒米を使用している。私の記憶が間違っていなければ、渡船を使うのは今年初めてじゃないのかなぁ。

若手蔵元の中では、間違いなく全国で1、2を争う旨い酒で注目度も高い。(雑誌でも特集が組まれるほど)




4品目が「鴨ロースのステーキ」

付け合わせの野菜まで凝っている。ノーザンルビーという品種のジャガイモをマッシュした上に、茄子やアスパラ、モロヘイヤを揚げたもの。

ソースは柚子っぽい?和のニュアンスがよかった。




日本酒は滋賀県の松瀬酒造さん「松の司 AZOLA 純米大吟醸」!!

これ飲めるのか~!とテンション上がる~!

蔵のある竜王町の契約農家で、無農薬の山田錦を育ててもらい、その米でケミカルなものは排除して造った酒。

飲みたかったけどなかなか店には置いていないし、ネットで買うにしても家飲み用としてはやや高めなので躊躇していたのだ。



昨年11月に取材に行ってから大好きになった「松の司」。

今どきの酒とは違って酸や甘みは抑えられていて、オーソドックスなんだけど、上品できれいな米の旨味がスーッと喉を通る。キレの良さとさりげない余韻がまた心地よく、しみじみと「いい酒だなぁ」とため息。

この蔵の酒を飲むといつも造り手のプライドを感じる。


楽しい時間はすぐに終わるもの・・・。興奮冷めやらぬ間に「ごはん」が運ばれてくる。

たこと枝豆の炊き込みごはん、赤だし、自家製の昆布。




デザートは、「ほうじ茶のブランマンジェ」

ほうじ茶は一保堂さんのものだと言う。こういうところがやっぱり京都ね。

ブランマンジェの上にチュイルがかぶせてあって、上にアイスクリーム。仕上げとして冷凍(?)の粉末状のものを目の前でかけてくれる。チュイルをサクッと割ってブランマンジェと一緒に食べる。




食後の飲み物は、コーヒーか煎茶(一保堂)を選べるので煎茶にした。

これで終わりだと思っていたら、これまたおしゃれな枯山水に見立てた小菓子が登場。

アーモンドの焼き菓子の下に不思議な食感のマシュマロが隠れていた。




以上。

大大大満足のランチだった。

1つ1つが美しく、料理への愛を感じた。そういうのって伝わるものだ。美味しいだけじゃなく、新鮮な驚きと感動があった。

シェフは若くて気さく。謙虚な話し方にも好感が持て、すっかりこのお店のファンになってしまった。

「ここ」でしか食べられない料理があるというのが素晴らしい。

他で代わりが利かないということは、料理に限らずどの世界でも何でも一番の強みになるものだが、そのことをしみじみと感じた。


コースの内容は毎月変わるようなので、月1で来たい。もっと新しい料理に出会いたい。あの驚きと幸福感を味わいたい。

ディナーはお酒の種類が増えるというので、次はディナーでのペアリングコースを試してみよう。


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